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新技術の活用

BIM/CIM、施工管理や出来高管理等の建設現場管理ソフトの導入、VR/AR等先端技術の応用による効率化、そしてiConstruction。ICT建設など目まぐるしく発展する新技術を活用すれば、生産性を格段に高めることができます。では、一体どのように進めればよいでしょうか? 専門家がお答えします!

新技術を活用することはなぜ必要なのでしょうか?

新技術を活用するのは、ひとえに“生産性を高める”ことが狙いです。生産性とは、インプット(生産要素の投入量)に対してどの程度のアウトプット(産出量)があるかを示す概念で、下の式で表されます。

建設業の場合、「アウトプット」とは工事件数、施工面積、施工距離、加工数、完成工事総利益などを、また「インプット」は直傭労働者数(技術・技能社員)や延人工数、設備、土地、建物、エネルギー、原材料などが当てはまります。

建設業における生産性向上とは、より少ない労働力、設備、原材料などによって、より多くの工事を完成させたり、より多くの利益を得ることで、そのためには労働力、設備、原材料等の利用効率を高めることが必要です。新技術の活用は、インプットの利用効率を高めるための有効な手段の一つです。

BIM/CIM

BIM/CIMは、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることを目的としています。
最新のICTを活用して、建設生産システムの計画、調査、設計、施工、管理の各段階において情報を共有することにより、効率的で質の高い建設生産・管理システムを構築します。

(出典:国土交通省「BIM/CIMポータルサイト【試行版】exlink

BIM/CIMの概要

BIM(ビー・アイ・エムまたはビム)は、Building Information Modeling / Managementの頭文字からとった呼び名で、建物の計画、調査、施工、管理に至る全ライフサイクルを通じた情報管理の手法です。一方のCIM(シー・アイ・エムまたはシム)はCivil / Construction Information Modeling / Managementの頭文字で、BIMの土木版です(BIMに土木を含める場合もある)。

BIM/CIMを実現するための情報処理技術は3次元CADを基礎とするが、設計にとどまらず、建設のライフサイクル全般を範囲とすることが特徴。そのためBIM/CIMソフトには、3次元CAD機能のほか、プロジェクトマネジメントやコストマネジメントなどの機能を持つ製品があります。

BIM/CIMに取り組むことのメリット

BIM/CIMの最大のメリットとして、手戻りの削減が挙げられます。専門工事業者は通常、元請から支給される施工図に基づいて施工します。そして施工図は通常工種毎に作成されるため、専門工事業者は自社の担当範囲以外の部分やプロジェクト全体について情報を持っていません。このことが、現場での干渉等による手戻りにつながる原因の一つとなります。BIM/CIMに意匠、構造、設備など複数またはすべての設計情報を含め、詳細な3次元画像を使って確認することで、干渉などの不具合を事前に発見して、手戻りを避けることが可能となります。

BIM/CIMの活用は、不具合や手戻りを回避し、スケジュールとコストを管理する能力を向上にさせるので、プロジェクトマネジメント業務への業容拡大を目指す設計事務所等にとってもメリットとなりえます。

製品によっては、建築資機材等のより詳しい情報を管理でき、データ連携や自動機能が備わるため、3次元CADに比べ設計変更時等の作業を軽減できます。

3次元モデリングで視覚的に情報を共有できるので、現場作業員の読図能力等のスキルによる障壁、外国人作業員の場合であれば日本語のリテラシーなどによる障壁を低める効果が期待できます。

導入イメージと課題

BIM/CIMの運用では、測量、意匠設計、構造設計、設備設計、ゼネコン、施工業者、所有者など、建設プロジェクトに関与するすべての関係者が情報を制作、追加、修正、参照することで、効率を高めることを狙います。共同作業を視野に入れた場合、情報の共有手段としてはクラウドの利用が有効です。

すべての関係者が情報を制作、追加、修正、参照する運用イメージ

BIMソフトウェアの操作では、3次元CADと異なる操作方法に習熟する必要があります。建設関係のソフトウェアの操作に慣れた設計事務所等が、他の関係者から情報を集めて一元的に入力や修正等を行う運用も現実的と言えます。

設計事務所が情報を収集、制作、追加、修正、参照する運用イメージ

BIM/CIMは単なるIT活用の範疇にとどまらず、建設プロジェクトの進め方そのものの革新を標榜するものです。設計や管理に携わる担当者は、BIM/CIMの概念や、これまでと異なるプロジェクト推進方法について、スキルを高めておく必要があります。

建設現場管理ソフト

概要

建設業専用のアプリケーション・ソフトウェアで、工事管理ソフト、工程管理ソフト、施工管理ソフトなどとも呼ばれます。高機能な製品は「システム」、モバイル端末で利用可能な製品は「アプリ」とも呼ばれます。

建設現場管理ソフト導入のメリット

建設現場管理ソフトの導入は、現場監督の管理業務負担を軽くして効率を高め、ひいては建設工事プロジェクトの効率そのものを高めることが狙いです。

導入イメージと課題

導入方法や手順は、ソフトウェアの構成や機能、規模により異なります。専用ソフト/アプリの場合、インストールするだけで使えるものがあり、またクラウドベースのソフト/アプリなら、インストールすら不要で最も導入が容易な手順です。一方、ERP(統合業務ソフト)をベースにシステムを組むにはカスタマイズが必須で、プログラミングのスキルを持った事業者への業務委託も視野に入れる必要があり、プロジェクト管理のハードルが高まる一方、求める機能や性能を実現できる可能性が高くなります。

技術面の要件がどうであれ、最も重要なことは導入を計画的に進めることです。ややもすると導入することそのものが目的になりがちなIT導入プロジェクトが軌道をそれないように、着手に先立ちしっかりとした導入計画を作ることが必要となります。経営面・業務面の問題点の把握、課題認識と解決策の検討、ソフトウェアの仕様策定からなる基本的なフローを、戦略的な視点に基づいて計画するということです。

VR/AR等先端技術の応用

概要

VR(仮想現実 = Virtual Reality)技術は、現実に似た知覚情報を人工的作り人間に与える技術。一方AR(拡張現実 = Augmented Reality)技術は、人間の五感で得られる情報をコンピュータ処理によって変化させる技術で、肉眼の視覚やカメラによる画像にテキストや画像などの情報を重ねて表示する技術のほか、触覚を拡張する技術などが開発されています。VRがすべてコンピュータで作成された人工的な現実感であるの対して、ARは現実と人工を組み合わせるところがポイントです。

建設分野への応用として、VRは主に技術トレーニングや安全講習などでの利用が始まっています。一方ARは、現場の映像に建築物のCG(Computer Graphics)映像を重ねて、完成イメージを確認したり、建機のCG映像を重ねて、設置場所や可動範囲、危険箇所の確認といった応用が見られます。

その他、過去の施工実績を使ったマーケティング・プロモーションなど、アイデア次第で様々な応用が可能です。

VR/AR等先端技術応用のメリット

映画の制作にCGを導入すれば、撮影セットの製作コストを減らすことができるように、建設分野でもVR/ARを活用することで、トレーニングや講習のための施設が不要となり、コスト削減に繋がります。

VR/ARの疑似体験効果によって、トレーニングや講習の効果を高め、完成時の様子をよりリアルに確認できます。上述のBIM/CIM等と組み合わせることで、建物の内部を透過したり内部を見渡したりして、干渉や不具合、危険箇所の発見につなげることがより容易になります。

通信を組み合わせることで、離れた場所から現場に作業指示を出したり、作業状況を確認することが可能となり、管理効率が高まります。

導入イメージと課題

VR、AR共に、映像を表示するためのデバイスが必要で、スマートフォンやタブレット端末の他、専用のゴーグルや「スマートグラス」と呼ばれるメガネが用いられます。

VR用のソフトは、大手CADメーカー等の製品が販売されています。一方AR用のソフトは大手デバイスメーカーが開発プラットフォームを提供する他、建機メーカー、ゼネコン、ベンチャー企業等がソフトを開発しています。

iConstruction

概要

「iConstruction」は、国土交通省が進める建設生産システムの生産性向上の取り組みで、その中に「 ICT施工(ICT土木)」があります。

ICT 施工(ICT 土工)とは、測量から設計、施工計画、施工、検査に至る建設生産プロセスの全段階において、ICTを全面的に活用する工事のことです。

iConstructionに取り組むメリット

作業の自動化等により作業時間が短縮され、効率が高まることで、人手不足への対応力が高まります。先進技術を導入していることを対外的にアピールすることで、受注増加や従業員の採用を有利に進められることが期待できます。

ICT建機の支援機能を活かして、経験の浅い作業者でも施工が可能になり、また無人化することで、事故による作業者の怪我や死亡を減らすことに繋がります。

導入イメージと課題

測量では、トータルステーションや航空機による従来技術を、カメラを搭載したUAV=ドローン等を用いた技術に置き換えます。撮影した画像を処理するための専用ソフトウェアと組み合わせて使用します。設計/施工計画ステップでの土量計算まで行えるソフトも販売されています。一般的に撮影自体は自動的に行われますが、飛行経路の設計やソフトウェアの操作についてスキルを養う必要があります。

ICT建機はいずれも自動追尾式のTSやGNSSなどの位置計測装置を使って建設機械の位置情報を計測し、そのデータに基づき建機を自動制御するMC(Machine Controll)機能、あるいは施工を支援するための情報をオペレータに提供するMG(Machine Guidance)機能のいずれかを搭載しています。MG、MC各々の特性や重機オペレータの熟練度を踏まえた技術トレーニングを実施して、効率化効果を極大化することが求められます。

国土交通省 iConstruction exlink